ITエンジニア派遣とは?種類やメリット・デメリット、派遣会社の選び方を解説

ITエンジニア派遣とは?種類やメリット・デメリット、派遣会社の選び方を解説

ITエンジニアへの転職を検討している場合、選択肢の一つとして「派遣会社」を通じて働く方法があります。ITエンジニア派遣として働くと、ライフスタイルに合った働き方の実現が可能です。

「派遣」と聞くと、契約期間が定められており、不安定なイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、派遣の一種である「常用型(正社員型)派遣」を選択すれば、直接雇用の正社員と同様に、基本的には定年まで働けます。

本記事では、ITエンジニア派遣の種類から、ITエンジニア派遣で働くメリットやデメリットから、ITエンジニア派遣が向いている人や派遣会社の選び方までを詳しく解説します。

ITエンジニア派遣とは

ITエンジニア派遣とは、派遣会社(派遣元)から紹介を受け、派遣先の企業で技術者(ITエンジニア)としての職に就く働き方のことです。

代表的な職種として、次のようなものが挙げられます。

  • バックエンドエンジニア(プログラムの開発・保守)
  • フロントエンドエンジニア(Webサイトやアプリの開発)
  • インフラエンジニア(サーバーやネットワークの構築・保守)
  • サポートエンジニア(製品に関する問い合わせ・トラブル対応)

特に「サポートエンジニア」は、生活スタイルの変化などにより開発業務から離職した人や、時短勤務を希望する人にとって、ITスキルを活かしながら働きやすい職種です。

ITエンジニア派遣の平均時給

IT・技術系の職種で働く派遣スタッフの平均時給は、他の職種と比較して高いと言えます。

株式会社リクルートの調査研究機関の報告によると、三大都市(関東・東海・関西)におけるIT・技術系の派遣スタッフの平均時給は、2,272円(2023年7月時点、募集時)であることが明らかになっています。

対して、オフィスワーク系や営業系などの他の職種の平均時給は、1,500円前後です。このことから、IT・技術系はもっとも高時給であることが分かります。

次のグラフより、2020年からの平均時給の推移を見ても上昇傾向にあり、高水準の給与を期待できると言えるでしょう。

出典:2023年7月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査

ITエンジニア派遣で働くメリット

ITエンジニア派遣で働くメリットとして、次の3点が挙げられます。

  • プライベートとバランスが取りやすい
  • 未経験でも挑戦しやすい
  • 大手・優良企業で働ける可能性がある

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

プライベートとバランスが取りやすい

ITエンジニア派遣では残業時間が比較的少なく、プライベートとバランスが取りやすいと言えます。

なかには、ITエンジニアの仕事は拘束時間が長時間に及び、残業が多いイメージを持つ方もいるかもしれません。

情報産業の労働組合「情報労連」が毎年実施している「ITエンジニアの労働実態調査」によると、長時間労働が発生する具体的な理由として「急な手戻り作業などに対応」「人手不足」などが挙げられています。

出典:情報労連 「ITエンジニアの労働実態調査」 からみるITエンジニアの労働と課題

しかし、ITエンジニア派遣の働き方であれば、残業時間は比較的少なく抑えられる傾向にあります。

派遣社員とは仕事の「内容・量」ではなく、「時間」で労働契約を結び、勤務時間があらかじめ決まっている場合があるためです。

未経験でも挑戦しやすい

ITエンジニア派遣では、仕事を選ぶ際に自分のスキルや職務経験に合う仕事を選びやすい傾向にあり、技術職が未経験の方でも挑戦しやすいです。

未経験でも挑戦しやすい仕事として、次のような仕事に注目してみると良いでしょう。

  • サポートエンジニア(製品に関する問い合わせ・トラブル対応)
  • システムのテスト(動作検証作業)
  • キッティング(PCやスマートフォンの初期設定や、各種ソフトウェアのインストールなどを行う作業)

大手・優良企業で働ける可能性がある

ITエンジニア派遣では、大手・優良企業で働ける可能性もあります。

労働環境や社内設備、研修制度などが充実している企業において、ITエンジニア派遣での就労を通じて経験を積むことで、今後のキャリアに活かすこともできます。

ITエンジニア派遣で働くデメリット

ITエンジニア派遣(登録型派遣)の場合はメリットが多い一方で、次のようなデメリットもあります。

  • 雇用が安定しづらい
  • 長期的なキャリアを形成しにくい場合がある

それぞれの具体的な理由と、回避策について詳しく見ていきましょう。

雇用が安定しづらい

ITエンジニア派遣(登録型派遣)の場合は、雇用契約期間の定めがあります。

期限を迎えた際に契約更新が行われなければ仕事がなくなってしまうため、雇用が安定しづらい側面が挙げられます。

このようなリスクを回避したい場合は、常用型派遣(正社員型派遣)の働き方を選択すると良いでしょう。

常用型派遣は、派遣元企業に正社員として入社するため、基本的には定年を迎えるまで働くことが可能です。

なお、常用型派遣と登録型派遣の違いについて、詳しくは後述しています。

長期的なキャリアを形成しにくい場合がある

ITエンジニア派遣(登録型派遣)の場合は、契約期間に定めがあることから、「長期間のプロジェクトに参加しづらい」「直接雇用の正社員と比べて、裁量の大きな仕事を任せてもらえない」といったデメリットが発生する可能性があります。

しかし、常用型派遣では、能力・適性・職務経歴をアドバイザーが客観的に判断した上で、柔軟に派遣先企業を検討することが可能です。

定年を迎えるまでの長いキャリア形成を考慮しながら、「今の自分にとって、次はどこで働くのがベストな選択か?」といった判断を、アドバイザーの助けを借りて行うことができます。

ITエンジニア派遣が向いている人

ITエンジニア派遣という働き方は、どのような人に向いているのでしょうか?

次のようなケースに当てはまる方は、ITエンジニア派遣に向いている可能性が高いです。

  • 複数の職場を経験したい
  • 未経験から転職したい

それぞれ、詳しく説明していきます。

複数の職場を経験したい

ITエンジニア派遣は、自身のキャリア形成の中で「複数の職場を経験したい」と考える方に向いています。

派遣契約の種類にもよりますが、原則として登録型派遣においては、一つの派遣先企業で働くことができる期間は「3年」の上限があります。契約期間が満了したら、次の新たな派遣先企業を検討する必要があります。

また、派遣の更新については、派遣元企業が派遣先企業、派遣社員それぞれと合意することが必要です。

職場の人間関係や、職務内容に長期間縛られることなく、柔軟にキャリアを積み重ねていきたいと考える方にITエンジニア派遣は向いていると言えるでしょう。

参考:派遣で働く皆様へ|厚生労働省

未経験から転職したい

ITエンジニア派遣は、「未経験からITエンジニアに転職したい」と考えている方にもおすすめです。

技術者の中途採用において、直接雇用の正社員は即戦力を求められるケースも多く、未経験の場合は新たな道を切り拓くのが難しいこともあります。

一方、ITエンジニア派遣であれば、未経験の方やブランクがある場合でも応募可能な求人が多いです。

未経験でも、現場での実務対応を積み重ねながらITスキルを身に着けたり、キャリアアップしたりするチャンスが広がるでしょう。

ITエンジニア派遣会社の選び方

ITエンジニア派遣で働く上では、派遣会社選びが大切です。派遣会社の選び方のポイントとして、次の2つを紹介します。

  • 派遣会社のサポート体制を確認する
  • 自分の希望する条件に合う派遣会社を選ぶ

派遣会社のサポート体制を確認する

まず、ITエンジニア派遣として、なるべく長期間にわたって安心して働くためにも、派遣会社のサポート体制を確認しましょう。

具体的には、次のような項目の有無や内容を確認し、自分が希望するサポートを受けられるかどうかをチェックしてみてください。

  • 派遣先企業を検討する前の面談
  • 派遣後のフォロー
  • スキルアップに関する研修(IT業界が未経験の場合は、とくに重要)

自分の希望する条件に合う派遣会社を選ぶ・

ITエンジニア派遣には、「登録型派遣」と「常用型(正社員型)派遣」の2種類があります。

種類登録型派遣常用型(正社員型)派遣
契約期間有期雇用無期雇用
仕組み派遣会社に登録し、派遣先の企業で働く正社員として派遣元企業に入社し、派遣先企業で働く

それぞれで特徴やメリット・デメリットが異なるため、自分の希望条件に合う方を選ぶことが重要です。

登録型派遣と常用型(正社員型)派遣で迷ったら…?

「ITエンジニア派遣で働きたいけれど、『登録型派遣』と『常用型(正社員型)派遣』のどちらを選ぶべき?」と迷ってしまう人も多いかもしれません。

登録型派遣は、募集職種や受け入れ可能な企業の数が多い反面、原則として有期雇用であるため、雇用が安定しづらく、契約期間が終了すれば給与を受け取れない期間も想定されます。

一方、常用型(正社員型)派遣は、直接雇用の正社員として派遣元企業に入社するので、基本的には定年を迎えるまで働くことが可能です。長期のキャリア形成を見据えて経験を積んでいきたいと考える方には、「常用型(正社員型)派遣」がおすすめと言えます。

常用型(正社員型)派遣会社の「リクルートR&Dスタッフィング」は、ITエンジニアをはじめ、技術職を幅広くサポートしています。

登録型派遣とは異なり、長期間安定して働くことができ、最短1回の面接で内定が決まるケースも。福利厚生や研修、キャリアサポートも充実しています。

ここで、スキルを身につけるために異業種からリクルートR&Dスタッフィングに入社し、ライフスタイルとスキルアップを両立しながら働く先輩社員の声を紹介します。

【経緯】 在学中にサーバーやプログラミングなどSEとして必要な知識を幅広く学んでいました。卒業後はIT企業に入社したものの諸事情で退職。その後、再びIT業界での就労を希望し、リクルートR&Dスタッフィングへ入社しました。

【今の仕事内容】 AWS関連、インフラエンジニアとしてクラウド上で検証機などに関する情報管理などに関わっています。現在の派遣先からは“対等なパートナー”として信頼してもらえている実感があり、現場レベルでできることなら、自由に提案させていただける余地を頂いています。

【サポート体制】
営業担当は自分に合ったプロジェクトを親身になって検討し、紹介してくれました。 月に1回電話があり、今の状況などについてこまめにフォローされており、大切にしてもらえているという実感があります。
プロジェクトを決めるときは、営業担当から案件を紹介してもらえますが、こちらの希望も自由に出せる雰囲気です。

【入社してよかったこと】
まずはキャリアとしては未経験同然の自分を手厚く受け入れてもらえたことです。無理なく始められるプロジェクトを紹介してもらえましたし、派遣先では最初は簡単な仕事から始めることが出来ました。
環境という意味では、土日祝日はきちんと休めているし、残業もほとんどありません。有休も気軽にとれるので、ワーク・ライフ・バランスを重視される方にはおすすめできます。
当社にはIT以外にも様々なプロジェクトがあるので、幅広いキャリアを目指せるチャンスがあるのもメリットになると思います。

先輩社員の声をもっと見る

リクルートR&Dスタッフィングについて興味のある方は、ぜひ下記のページより詳細をご確認ください。

すぐわかるリクルートR&Dスタッフィングはこちら

ITエンジニア派遣で働き始めるまでの流れ

ITエンジニア派遣で、就業開始するまでの一般的な流れを「登録型派遣」と「常用型(正社員型)派遣」それぞれに分けて紹介します。

なお、本記事で紹介する内容はあくまで一般的なフローであり、派遣会社によって異なる場合もあります。自身が応募する派遣会社のフローについては、あらかじめ確認しておきましょう。

【登録型派遣】ITエンジニアとして働き始めるまでの流れ

登録型派遣において、登録して就労開始するまでの流れを紹介します。

ステップ手順
1.Web登録派遣会社のホームページや求人媒体等からWeb登録をし、自分の氏名・住所・生年月日・職歴や、希望する仕事内容を入力する
2.派遣登録説明会への参加・派遣会社が指定する会場や自分が希望する会場へ出向き、派遣会社のスタッフと対面する ・各種説明を受けたり、自身のプロフィールや職歴の詳細を伝えたりする ・この場でスキルテストが行われる場合もある
3.求人紹介・応募・派遣会社の担当者から求人を紹介される場合や、自分で登録サイトから希望の仕事を選んで応募する
4.選考・同一案件に複数名が応募している場合もあるため、応募者の経歴やスキルを考慮の上、派遣会社内で選考が実施される
5.職場見学(応募者の希望がある場合)・選考通過後、派遣先の会社で職場見学をする ・派遣先の上長や人事担当者から会社概要、業務内容などの説明を受ける
6.就業開始・見学や説明の結果、労使間で問題がなければ、派遣先で就業開始

【常用型(正社員型)派遣】ITエンジニアとして働き始めるまでの流れ

一般的な常用型(正社員型)派遣における、応募して就業開始するまでの流れを紹介します。

ステップ手順
1.Webエントリー・派遣会社のホームページや求人媒体等からWebエントリーする ・自分の氏名・住所・生年月日・履歴書・職歴などを入力する
2.書類選考応募時に提出された履歴書や職務経歴書を考慮の上、書類選考が実施される
3.面接・書類選考通過後、派遣会社と面接する ・派遣会社によってはオンライン面接がOKの場合もある
4.内定面接通過後、内定
5.入社時研修派遣会社に正社員として入社した直後に、研修を受ける
6.面談派遣会社に正社員として入社後、業務内容に関する面談をアドバイザーとともに行う
7.派遣先決定面談の内容を考慮の上、派遣先企業が決定
8.就業開始派遣先で就業開始

まとめ

この記事では、ITエンジニア派遣という働き方を選ぶメリットとデメリットや、どのような人に向いているか、派遣会社の選び方、具体的な就業の手順などについて解説しました。

昨今のニュースで「2030年問題」という言葉を聞くように、日本の企業では人手不足が大きな課題になっています。

この状況は働き手側から見れば、「さまざまな業種・業界にチャレンジできる余地が拡大する」とポジティブに捉えることもできるのではないでしょうか。

常用型(正社員型)派遣会社のリクルートR&Dスタッフィングでは、ITエンジニアとして働く方を募集しています。詳しい情報は、ぜひ下記のページよりご確認ください。

>>リクルートR&Dスタッフィングの詳しい情報はこちら
>>リクルートR&Dスタッフィングの募集要項ページはこちら

記事監修

緒方 誠

株式会社リクルートR&Dスタッフィング HR部 部長
2006年、株式会社プロアウト(現リクルートR&Dスタッフィング)創業に伴い入社。
関東から九州まで幅広い現場でエンジニア派遣によるクライアント支援とスタッフサポートに従事。
首都圏エリア統括を経験後、2017年より現職にて同社採用責任者。
国内採用戦略および海外大学との連携によるグローバル採用など豊富な実績を持つ。
経験者から未経験者まで、一人ひとりの活躍を実現するエンジニア採用を目指している。