SESエンジニアとは?業務内容や必要なスキル、契約形態までわかりやすく解説

SESエンジニアとは?業務内容や必要なスキル、契約形態までわかりやすく解説

エンジニアには幅広い働き方があり、その一つとして「SES」があります。

SESでは、労働者がSES企業と雇用契約を結び、同企業から指揮命令を受けて働きます。派遣と働き方が似ているため「SESと派遣の違いって何?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

この記事では、SESエンジニアの基礎知識や派遣との違い、業務内容とスキル、SESエンジニアとして働くメリットとデメリットなどを紹介します。SESエンジニアとしての働き方やキャリアに関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

SESエンジニアとは?

SES(エスイーエス)は、System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)の略称です。IT業界における契約形態の一つで、ソフトウェアやシステムの開発、運用、保守など、様々な案件において役務を提供するサービスを指します。

IT業界は慢性的な人手不足と言われており、大きなプロジェクトを新しく進めるとき、自社のエンジニアだけではリソースや技術をまかなえないことがあります。そのような不足を補うための手段として、SESが利用されているのです。

SESエンジニアとして働くことを希望している場合、次の言葉の意味を整理しておくと、SESのビジネスモデルを理解しやすくなります。

● SES企業…サービス提供元の企業
● SES契約…SESに関する準委任契約
● SESエンジニア…SES契約によりクライアント企業で常駐勤務するエンジニア

SES契約に基づき、技術力を提供するSESエンジニアはクライアント先で働きます。指揮命令権がクライアント企業ではなく、SES企業にある点が特徴です。

ビジネスモデル

前述の通り、SESは人手や技術力を求めている企業に対し、エンジニアのスキルを提供するサービスのこと。SESを提供した際に、対価として報酬が支払われるというビジネスモデルです。

報酬はSESを提供するまで支払われ続けるので、契約期間が長く続くほど安定した収益が上げられる仕組みになっています。

給料・年収

企業規模や経験年数、保有スキルにもよりますが、SESエンジニアの年収は300万〜500万円程度が目安と考えておきましょう。

未経験から入社した場合は300万円程度でも、そこから経験を積みスキルアップすることで450〜500万円程度まで目指せます。

高いスキルやマネジメント力があればさらに上を目指せるケースもあります。しかし、一般的にSESエンジニアは下請けの立場になることが多く、高収入を得ることは難しいでしょう。

またSES契約は、仕事の完成を約束する「請負契約」ではなく「準委託契約」で結ばれるため、納品義務は発生しません。成果物ではなく、SESを提供することの対価を受け取る仕組みになっています。

参考・出典:

日本のビジネスパーソンの平均年収は?平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】|doda

SESとは?SESエンジニアの仕事内容・メリット・デメリット・将来性|エッジテクノロジー株式会社

SI・派遣との違い

SESと混同されやすいものに「SI」と「派遣」があります。ここでは、SIと派遣それぞれの言葉の意味を説明します。

「SI」は、System Integration(システムインテグレーション)の略称です。クライアントから依頼を受け、要件定義から開発、運用、保守まで一貫して行うことを指します。「受託開発」と表現するとわかりやすいでしょう。

「派遣」は、派遣元企業と雇用契約を結び、派遣先で勤務する働き方のことです。派遣とSESとの違いについては、後の章でも詳しく解説します。

SESエンジニアの仕事内容と必要なスキル

SESエンジニアの仕事は、案件によってまったく異なります。ここでは案件ごとに仕事内容や必要となるスキルを紹介します。

システムエンジニア案件

システムエンジニアとは、システムの設計や開発を行うエンジニアのことです。クライアントへのヒアリングから実現したいシステムの要件を定義し、システム設計へと落とし込みます。

▼主な仕事内容

クライアントへのヒアリング要求分析要件定義基本設計詳細設計 など

システム開発の「上流工程」を担当するため、後述するプログラマーと比較すると責任が大きいポジションです。適切にシステム設計するためのプログラミング知識や、的確な指示でプロジェクトを完遂させるためのマネジメント能力、総合的なビジネススキルなども求められます。

プログラマー案件

システムエンジニアが作成した仕様書や設計書をもとに、実際にプログラミングを行うのがプログラマーです。

▼主な仕事内容

プログラミング プログラムの導入・分析 システム上のバグの発見・処理 など

使用するプログラミング言語は案件により異なるので、多くの言語を使えた方が様々な現場で活躍しやすいでしょう。ただし未経験からチャレンジする場合は、まずは一つの言語の基本をマスターすることがおすすめです。

またSESエンジニアの場合、基本的にはクライアント企業に常駐して働くことになるため、外部の人と円滑に業務を進めるためのコミュニケーション能力が求められるでしょう。

テスター案件

プログラマーによって開発されたシステムが、問題なく動くかどうかをテストするのがテスターの仕事です。テストだけではなく、テスト設計や評価などを行う場合もあります。

▼主な仕事内容

テスト計画テスト設計動作確認 など

テストの量は膨大になることが多く、そのすべてが適切に機能するかどうかをテストするため、高い集中力と忍耐力が求められます。またテストの結果をExcelやWordなどにまとめて報告するので、文書作成ツールなどの基本的な操作スキルも必要になるでしょう。

ネットワークエンジニア案件

その名前の通り、ネットワークの構築や運用、保守を行うのがネットワークエンジニアの仕事です。

▼主な仕事内容

ネットワーク設計ネットワーク構築ネットワーク運用ネットワーク保守 など

ネットワークの設計から保守までを一貫して行うため、ネットワークに関する専門知識が必須になります。また安全なネットワーク環境を保つために、セキュリティに関する知識も求められるでしょう。

インフラエンジニア案件

インフラエンジニアとは、ITインフラに関連する業務を行うエンジニアのこと。ネットワークやサーバー、ハードウェアなど幅広い領域を担当します。

▼主な仕事内容

ネットワークの設計、構築、運用、保守サーバーの設計、構築、運用、保守セキュリティ対策 など

各領域に特化したエンジニアのことをそれぞれ「ネットワークエンジニア」「サーバーエンジニア」「セキュリティエンジニア」と言い、総称として「インフラエンジニア」とまとめて呼ぶことが一般的です。

すべての領域に関する基本的な知識と、専門領域の深い知識が求められます。

SESエンジニアとして働くメリット・デメリットは?

SESエンジニアとして働く場合にどんなメリット・デメリットがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。

一般的に、SESエンジニアは人手や技術が不足している案件にアサインされ、役目が終わればまた別の案件にアサインされる職業です。

幅広い案件に関われたり、大手・優良企業への常駐を経験できたりするため、その後のエンジニア人生の大きな糧になると考えられます。

一方で、プロジェクトの一部の業務に携わるため、全体像や自分が担当した業務の目的、成果が見えづらく、やりがいを感じにくい方もいるかもしれません。

また、案件ごとに業務内容は変わるので、その都度必要な技術やスキルを身に付ける必要があります。

サポートを受けながらスキルアップしたい方は「常用型(正社員型)派遣エンジニア」も一つの手

サポートを受けながらスキルアップしたい人は、「常用型(正社員型)派遣エンジニア」という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

常用型派遣とは、派遣元企業に常時雇用されている社員のことを指します。

派遣にはいくつか種類があります。一般的にイメージされるのは、派遣先企業が決まっている間のみ派遣元企業との雇用契約を結ぶ「登録型派遣」でしょう。 対する「常用型派遣」は、派遣先での業務が終了しても派遣元企業との雇用状態が継続されます。そのため、配属までの待機期間も給与を受け取れる点がメリットです。さらに万全なサポート体制や研修制度も用意されており、スキルアップしながら働ける点も魅力と言えます。

労働者派遣法の観点で考える「SES」と「派遣」の違い

ここまで常用型派遣の概要について紹介してきましたが、なかにはSESと派遣の働き方に大きな変化を感じない方もいるかもしれません。

しかし、労働者派遣法の観点でみると、大きく違いがあります。

 雇用形態労働者派遣法指揮命令系統
常用型派遣派遣元企業で直接雇用される正社員対象派遣先企業
SESSES企業で直接雇用される正社員対象外SES企業

労働者派遣法とは、雇用が不安定な派遣労働者を守るために制定された法律です。あくまでも派遣労働者を保護するための法律であるため、SESエンジニアは対象外です。

正社員として、安定した雇用契約を結びながら働きたい場合は、常用型派遣エンジニアを検討するのがおすすめです。常用型派遣のリクルートR&Dスタッフィングでは、一緒に働くエンジニアの方を募集しています。ぜひ下記のページよりご確認ください。

すぐわかるリクルートR&Dスタッフィングはこちら

常用型(正社員型)派遣会社「リクルートR&Dスタッフィング」で働く先輩社員の声

リクルートR&Dスタッフィングへ転職し、前職に比べて良い給与条件で上流工程にステップアップできた先輩社員の声を紹介します。

・2020年入社:設計・部品メーカー調整を行うC・Iさん
 
・経緯
前職は待遇やサポート面での不満はあったものの、仕事内容や技術派遣という働き方は好きだったので、自分の経験を活かせる仕事で、安心できる大手企業で働きたいと考えていたところ、リクルートR&Dスタッフィングに出会いました。
 
・今の仕事内容
現在は設計統括部という部署で勤務しています。当社に転職したことで上流工程にステップアップでき、お客様とも直接やり取りできる環境で働いています。
 
・サポート体制
リクルートR&Dスタッフィングは担当営業からのフォローが手厚いと感じました。入社後にはオーダーとのマッチングをスピーディーに提案いただき、結果として1社目のプロジェクトにすぐ入ることができました。
 
・入社して良かったこと
給与、福利厚生、入社時や営業からのサポート、職場環境など、就労するうえで大切な要素がしっかり準備されていて、安心して働くことができているところです。特に福利厚生の家賃補助制度は大きいです。
 
先輩社員の声をもっと見る

まとめ

SES企業と雇用契約を結び、同企業から指揮命令を受けて、クライアント企業で勤務するSESエンジニアです。幅広い案件に携わることができ、大手・優良企業で働くチャンスがあります。

派遣とは異なり、SESではクライアント企業に業務内容や勤怠について指揮命令する権利がなく、また労働者派遣法の対象外となります。

常用型派遣エンジニアなら、労働者派遣法で守られながら安心して働くことができます。また、万全なサポート体制や充実した福利厚生、研修制度が用意されており、スキルアップしながらプロジェクトの上流工程に参画できる可能性がある点も魅力です。

興味のある方は、ぜひ下記のページよりご確認ください。
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記事監修

緒方 誠

株式会社リクルートR&Dスタッフィング HR部 部長
2006年、株式会社プロアウト(現リクルートR&Dスタッフィング)創業に伴い入社。
関東から九州まで幅広い現場でエンジニア派遣によるクライアント支援とスタッフサポートに従事。
首都圏エリア統括を経験後、2017年より現職にて同社採用責任者。
国内採用戦略および海外大学との連携によるグローバル採用など豊富な実績を持つ。
経験者から未経験者まで、一人ひとりの活躍を実現するエンジニア採用を目指している。